日本シェアNo.1の制御盤「FANUC」ファナックについて ~ファナック制御盤の魅力と深層~

製造業の心臓部、ファナック制御盤「その全てを解説」

今回の記事では、産業用ロボットや自動化システムで幅広く使用されている「ファナック制御盤」について詳しく説明します。

その扱いやすさ、性能、そして特有のGコードやMコードについても触れていきます。

制御盤が初めての方でも安心して読み進められるように、各セクションで具体的な内容を詳細に説明していきます。

ファナック制御盤の基本と扱いやすさ

まずは、ファナック制御盤の基本について説明します。

ファナック制御盤は、一般的にCNC(Computer Numerical Control)機械や工業用ロボットを制御するためのデバイスです。この制御盤は、生産ラインの自動化に必要なさまざまな機能を持っています。

ファナック制御盤は、その直感的なインターフェースと高度な機能性から、業界内で非常に扱いやすいと評価されています。

殆どの機種で大きな画面とクリアなレイアウト、視覚的に理解しやすいユーザーインターフェースが特徴。

また、機能ごとに明瞭に分かれたメニュー構造が、初めて使用する人でも迷わず操作を行えるように支えています。

ファナック制御盤の性能

次に、ファナック制御盤の性能について触れていきます。

ファナック制御盤は、高精度な作業を可能にするための先進的な機能を多数搭載しています。

その中でも、リアルタイムでの機械制御や精密な位置決め能力、そして効率的なパワー管理は特筆すべき点です。

これらの機能は、加工精度と生産効率を大幅に向上させることが可能で、結果として製造業者の生産性を最大化します。

加えて、ファナックの制御盤は耐久性も高く、過酷な工業環境下でも長期にわたって安定した性能を維持します。

GコードとMコード

さて、ファナック制御盤の特徴的な部分に「Gコード」および「Mコード」という概念があります。これらはCNCマシンを制御するためのプログラミング言語で、具体的な機械の動きや作業を指示します。

Gコード

Gコードは、「ジオメトリコード」の略で、主に機械の具体的な動きを制御します。例えば、直線や円弧の移動、加工経路の速度や方向などを指定します。

以下に、一部の基本的なGコードを列挙します。

  1. G00 – Rapid positioning: 高速な非加工移動
  2. G01 – Linear interpolation: 直線移動
  3. G02 – Clockwise circular/helical interpolation: 時計回りの円/らせん補間
  4. G03 – Counter clockwise circular/Helical interpolation: 反時計回りの円/らせん補間
  5. G04 – Dwell: 一定時間停止
  6. G09 – Exact stop check: 精確な位置での停止
  7. G10 – Programmable data input: プログラム可能なデータ入力
  8. G17 – XY plane selection: XY平面の選択
  9. G18 – ZX plane selection: ZX平面の選択
  10. G19 – YZ plane selection: YZ平面の選択
  11. G20 – Inch unit selection: インチ単位の選択
  12. G21 – Millimeter unit selection: ミリメートル単位の選択
  13. G28 – Return to home position: ホームポジションへの戻り
  14. G40 – Tool radius compensation off: ツール半径補正の無効化
  15. G41 – Tool radius compensation left: ツール半径補正の左
  16. G42 – Tool radius compensation right: ツール半径補正の右
  17. G43 – Tool length compensation positive: ツール長補正の正
  18. G44 – Tool length compensation negative: ツール長補正の負
  19. G49 – Tool length compensation cancel: ツール長補正のキャンセル
  20. G80 – Canned cycle cancel: キャンドサイクルのキャンセル
  21. G81 – Drilling cycle: ドリリングサイクル
  22. G82 – Counterboring: カウンターボーリング
  23. G83 – Peck drilling: ピックドリリング
  24. G90 – Absolute programming: 絶対座標プログラミング
  25. G91 – Incremental programming: 相対座標プログラミング
  26. G92 – Coordinate system setting: 座標系設定
  27. G94 – Feedrate per minute: 分速
  28. G95 – Feedrate per revolution: 回転当たりの送り速度
  29. G98 – Return to initial level: 初期レベルへ戻る
  30. G99 – Return to R level: Rレベルへ戻る

Mコード

一方、Mコードは「ミシネリーコード」の略で、Gコードとは異なり、主に機械の補助機能を制御します冷却装置のON/OFFや、主軸の回転開始・停止、ツールチェンジといった指示がこれに該当します。

以下に、一部の基本的なMコードを列挙します。

  1. M00 – Program stop: プログラム停止
  2. M01 – Optional program stop: 任意のプログラム停止
  3. M02 – End of program: プログラム終了
  4. M03 – Spindle on clockwise: 主軸時計回り回転開始
  5. M04 – Spindle on counter clockwise: 主軸反時計回り回転開始
  6. M05 – Spindle stop: 主軸停止
  7. M06 – Tool change: ツールチェンジ
  8. M07 – Coolant on (flood): 冷却液オン(全体冷却)
  9. M08 – Coolant on (mist): 冷却液オン(ミスト)
  10. M09 – Coolant off: 冷却液オフ
  11. M10 – Chuck/Pallet clamp: チャック/パレット固定
  12. M11 – Chuck/Pallet unclamp: チャック/パレット固定解除
  13. M13 – Spindle on clockwise + Coolant on: 主軸時計回り回転開始+冷却液オン
  14. M14 – Spindle on counter clockwise + Coolant on: 主軸反時計回り回転開始+冷却液オン
  15. M19 – Spindle orientation: 主軸方向指示
  16. M30 – End of program with rewind: プログラム終了と巻き戻し
  17. M38 – Door open: ドア開放
  18. M39 – Door close: ドア閉鎖
  19. M98 – Subprogram call: サブプログラム呼び出し
  20. M99 – Subprogram end: サブプログラム終了

これらのコードを組み合わせることで、高度な自動化が実現します。

しかし、これらのコードは制御盤によって微妙に異なる場合があるため、ファナック制御盤を使用する際は、適切なマニュアルやドキュメンテーションを参照することを強くおすすめします。

 

Gコード、Mコードをマニュアルで使用する「MDI」の機能についてはこちらに書いています。

有限会社 名岐金型

どの工作機械にも機能としてついている「MDI」。 これって、何の略なのか皆さんご存じでしょうか? 私は正直MDIはMDI…

まとめ:第一部

本記事では、CNCマシニングに欠かせない要素であるファナック制御盤について深く掘り下げました。

その扱いやすさ、性能、そして重要な要素であるGコードとMコードについて解説しました。

まず、ファナック制御盤はその優れた性能と高い信頼性により、多くの製造業者から広く利用されています。

そのユーザーインターフェースの扱いやすさは、ユーザーが容易に理解し、制御盤を効率的に操作することを可能にしています。

 

そしてGコードとMコードの重要性についても詳しく見てきました。

Gコードは、機械の具体的な動きを制御する一方で、Mコードは主に機械の補助機能を制御します。これらのコードは、製造工程を自動化し、製品の品質と一貫性を確保します。

ただし、これらのコードは制御盤によって微妙に異なる場合があるため、適切なマニュアルやドキュメンテーションを参照することが重要です。

以上、ファナック制御盤の扱いやすさ、性能、そしてGコードやMコードについて詳しく解説しました。これらの情報があなたの理解に役立ち、より深く制御盤について学ぶ一助となることを願っています。

ファナック制御盤は製造業の重要な要素であり、その使いこなし方を理解することで生産性の向上につながるでしょう。

ファナック=工業オートメーションの未来へ

ファナックは、工業ロボットとそのソフトウェア、ビジョンシステム、そしてその他の工業オートメーション製品で世界的に認知されています。彼らのロボットは、自動車業界から食品・飲料業界まで、幅広い産業で使用されています。ここでは、その特性、利便性、そして可能性について探ります。

特性と機能性

ファナックのロボットはその性能、耐久性、そして信頼性で知られています。

彼らの製品ラインは極めて広範で、細部の作業から重量物の移動まで、さまざまなニーズに対応します。

ロボットの運搬能力は、わずか数キログラムから驚くべき数百キログラムまでと幅広く、産業の多様な要求を満たす能力を持っています。

また、ファナックのロボットは一貫した高精度を誇り、製造業で非常に価値のある特性とされているのです。

これにより、製品の品質と一貫性を確保しながら、生産性と効率性を向上させることができます。

ロボットのプログラミングと統合

ファナックのロボットは、非常に使いやすく直感的なソフトウェアによってサポートされています。

Roboguideという名前のこのソフトウェアは、実際の作業をシミュレートし、プログラムを最適化することが可能です。

ファナックはまた、他の工業オートメーション製品との統合を容易にするためのソリューションを提供しています。

これにより、製造業者は生産ライン全体を効率的に管理し、最適化することができます。

オートメーションの未来

ファナックは、オートメーションの進歩における重要な役割を果たしています。

その製品は、工業オートメーションの可能性を広げ、新たな技術の導入を促進しています。

例えば、ファナックは工業ロボットのAIの使用を推進しており、これによりロボットは環境を理解し、効果的に動作する能力を向上させています。

弊社でも導入できるものなら導入してみたいですが、なかなか金型屋さんでは使用用途が難しいといいますか、まだまだ自動化はこれからというところだと思います。

例えば工作機械(主にマシニング)にワークをセットする、という場合、部品屋さんであればすでに導入を検討できますが、金型屋は量産品を作るわけではないので、そういった使い方ではロボットの性能を持て余してしまいます。

まとめ:第二部

ファナックのロボットは、その性能、耐久性、そしてソフトウェアの利便性により、工業オートメーションの世界で非常に評価されています。

これらのロボットは、製造業の生産性と効率性を向上させ、製品の品質と一貫性を確保します。

そして、それらは工業オートメーションの未来を形成し、新たな技術の導入を促進しています。

ファナックは、オートメーションの世界でのリーダーであり、その製品は製造業の成功に対する強力な道具であることを証明しています。

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